募集終了2020.10.19

京都の洋菓子と共に。誰かに“幸せを届ける”仕事

今回ご紹介する企業は、京都発の洋菓子ブランド「マールブランシュ」を手掛ける「株式会社ロマンライフ」。

京都みやげとして人気の商品「お濃茶ラングドシャ 茶の菓」は、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

2020年10月、ロマンライフはショップ、カフェ、工房、本社機能を備えた大型店舗「マールブランシュ ロマンの森」をオープンしました。

今回は、洋菓子部門の製造・販売スタッフを募集するにあたり、9月某日、オープンを目前に控えたロマンの森を訪れました。

生活必需品ではなく幸せ必需品を届ける

「コロナ禍をきっかけに、自分たちのミッションに改めて気付いた」と語るのは、代表取締役の河内誠(かわうち・まこと)さんです。


「僕たちの仕事は、お菓子を製造して販売すること。お米やパンなど生存していくのに必要な食べ物ではなく、お菓子というのは贅沢品ですよね。だから今回のコロナ禍で、1番にカットされてしまうんじゃないかという不安がありました。でも今年の母の日に、お客様が行列を作ってお店に並んでくださったんです。その姿を見て、僕たちは生活必需品じゃなくて幸せ必需品、幸せを届ける商品を扱っているんだと改めて気付きました」

今回ロマンの森がオープンするのは、河内社長の父でありロマンライフの創業者である河内誠一(かわうち・せいいち)さんが、ロードサイドレストランを営んでいた場所。原点とも言えるこの地に、どんな思いを込めたのでしょうか。


「車が忙しく走る国道沿いにありながら、一歩中に入ればゆっくりと時間が流れるような場所にしたかったんです。そこで考えたのが、”森”というコンセプト。この地に森を作ろう、そして森の中にお店と工場とオフィスをつくろう、それが今回のプロジェクトです」

ロマンの森の敷地内には約500本の木々が植えられ、カフェやショップは、室内にいながらも自然を感じられるような内装です。

「疲れない空間にしたい」と、オフィスもグリーンを基調とした心安らぐ空間に。すべての部署をワンフロアにまとめたことで、うれしい変化も起こり始めていると言います。

広々としたオフィスフロアの中央には茶室スペースが備えられています。「今までは、本社・工場・物流の場所が分かれていて、ばらばらだったんです。会社全体で一つのチームと言っていても、現実ではなかなか難しいこともありました。でもこうして1ヶ所に集まって仕事をすることで、朝礼を一緒にしたり、他部署に意見を聞きに行ったり、部署の枠を超えたコミュニケーションが自然に増えたんです」

さらに、全部署が見渡せるようになり、仕事のスピードも格段に上がったそうです。この場所ができたことで、河内社長が目指す方向や体現したいものが可視化され、これまで以上にスタッフに浸透しているのかもしれません。


今後新たにロマンライフの仲間になる人は、「人を喜ばせるのが大好きな人であってほしい」と河内社長は語ります。

「これは接客の仕事だけではなく、経理や清掃など、どんな仕事でも同じ。どうしたらお客様が喜ぶか、社員が喜ぶか、日夜考えて常にチャレンジできる人。僕たちはそういう集団でありたいと思っています」

創業時から受け継がれる思い

つづいて、常務取締役の河内優太朗(かわうち・ゆうたろう)さんにお話を伺います。

優太朗さんにとって、河内社長は父、創業者の誠一さんは祖父にあたります。

自身が入社する以前から、家族の一員としてすぐそばでロマンライフを見てきた優太朗さんに、会社の沿革についてお聞きします。

「1951年、祖父が23歳の時に、河原町三条に喫茶店を開業したのがはじまりです。もともと祖父は証券会社で忙しく働いていたのですが、コーヒーを飲んだり音楽を聴いたりしてほっとする時間がやっぱり必要だと自分自身が体感して、お店をはじめたそうです。その思いがずっとロマンライフには流れていますね」

その後ロマンライフは、ロードサイドレストランなど飲食事業を中心に展開。1982年に新規事業として洋菓子部門を立ち上げ、「マールブランシュ北山本店」をオープンしたことで、大きな転換期を迎えます。

優太朗さんが指しているのがロードサイドレストラン「ロマン」の写真。

洋菓子ブランド「マールブランシュ」は瞬く間に成長し、北は北海道から南は熊本まで、全国のデパートに出店するほどになりました。しかしそこで、次の転機が訪れます。

「茶の菓というメイン商品の発売を機に、エリアを京都に集中しようと方針転換しました。2008年には全国に37店舗ほどあったんですが、そこから約10年かけて、京都府外のすべての店舗、30店を閉めました」

京都という最大の強みを武器に

全国の店舗を閉めて京都だけに集中するという、かなり思い切った決断。その発端となった商品、茶の菓について詳しくお話をお聞きします。

「父の知人で、よく仕事で東京に行かれる方がいて。その方から、何か京都から持って行けるようなお菓子できへんの?って言われたことがきっかけなんです」

こうしてはじまった茶の菓の開発。発売するまでに、かなりの年月が費やされていると言います。

「とことんこだわり抜いた商品なので、販売までに2年半くらいかかっているんです。最もこだわったのが茶葉。茶道で使うような高級品を使用しています。私の母は茶道具屋の娘なんですけど、お茶に精通する人にも、これはほんまもんって思ってもらえるような本物のお茶の味わいを表現したいと、母がとてもこだわったんです」


だから茶の菓は、抹茶ラングドシャではなく「お濃茶ラングドシャ」と名付けられていると優太朗さんはつづけます。

「茶道には薄茶と濃茶がありますよね。薄茶はお茶の苦味や香ばしさを楽しむんですけど、濃茶はお茶の甘味や旨味を味わうものなんです。そういう濃茶の、お茶本来の味や香りを洋菓子で表現することにこだわりました」

茶の菓の開発が進んでいた頃、優太朗さんは大学生。家に帰ると、毎日のように試作品を食べさせられたと笑います。

「茶の菓がずらっと並んでいて、『どれが1番おいしい?』って、毎日聞かれるんですよ(笑)。茶葉は数種をブレンドしているので、その配合を少しずつ変えて。あとはクッキーの焼成温度や、チョコレートの種類。組み合わせが無限にあるんですよ。本当に毎日食べていましたね(笑)」

こうしてついに完成した茶の菓。当時はまだ全国に店舗があったにもかかわらず、河内社長は京都限定で販売することを決めました。

「せっかく良い商品ができたのに、どうして京都限定なんですか?という声は、社内でもあったようです。でも父は絶対に京都でしか売らないと決めたんです」


この販売方法も功を奏し、茶の菓は京都みやげを代表するようなヒット商品に成長。これを機に、店舗も京都に絞るという方向転換を行いました。

さらに、これまではデパートを中心に展開していましたが、京都駅構内や清水、嵐山など、観光客が集まるエリアに出店するようになりました。

「デパートではお歳暮・お中元が中心だったところから、観光みやげや日常づかいへと方向性が変わっていきました。洋菓子を京都みやげとして持って帰るっていう感覚は、今までなかったですよね。洋菓子京みやげという新しいマーケットを開拓したという感じです」

京都の洋菓子店という強みを最大限に生かし、新たなジャンルを切り開いたパイオニア。そんなロマンライフの一面が見えてきました。

全力で青春を過ごせる会社に

祖父や両親が成長させてきたロマンライフに、26歳で入社した優太朗さん。製造の現場からはじめ、物流や営業、販売、商品開発などの部署を経て、現在はロマンの森の責任者を務めています。

優太朗さんは今後、ロマンライフをどんな会社にしていきたいと考えているのでしょうか。


「青春を過ごせる会社にしたい。目標に向かって一丸となって、がむしゃらに働いて、達成できた瞬間にみんなで泣けるような、そんな会社にしたいです。毎年MVPを表彰するんですけど、感極まって泣く子がいるんですよ。一緒に働いているスタッフも、もらい泣きしたりして。僕はそういう瞬間を見られることがすごくうれしい。そんな会社でありつづけられたら、どんな事業をやっても成功するだろうと思います」

ロマンライフの今後を担う人たちには、ロマンチックな人であってほしい、と優太朗さんは語ります。

「たとえばサプライズ好きな人。お付き合いしている人に記念日に何かをしたり、母の日に手紙やお花を贈ったり。人が喜ぶ瞬間が好きで、それを自分の喜びに変えられる人。ロマンライフはそういう人たちの集合にしていきたいし、自分自身もそうありたいですね」


さらにもう一つ、何かのオタク、マニアであってほしいとつづけます。

「何でもいいから、何かに突出してほしい。正五角形みたいなバランスの取れた人よりも、何か1個が突出している人、整っていない人。そういう人たちが集まることで、強くて個性的で面白くて良い会社をつくっていけると思います」

どんなことも前向きに乗り越える強さを

つづいてお話をお聞きするのは、経営サポート部人事グループ係長の松井智子(まつい・ともこ)さんです。

10年以上、人事を担当してきた松井さんが心がけているのは、スタッフが相談しやすい関係性を作ることだと言います。

「採用してから現場に配属されるまでの間に、いかに話しやすい間柄をつくるか。人事に何でも相談に来てもらえて、フォローしやすい体制を作るために、関係性を築いておくことを意識しています。研修ごとに面談も設け、コミュニケーションを密に取るようにしています」

また、仕組みとして取り入れているのがブラザー・シスター制度。入社1年目の社員に、2年目の社員がお兄さんまたはお姉さんとしてつく制度です。

「仕事内容の指導はもちろん、メンタル面のフォローもしてもらっています。2年目の社員が担当するので、教えることで彼ら自身の成長にもつながっています」

販売や製造の部署には女性スタッフが多いため、女性の働きやすさにも今後力を入れていきたいと言います。

「現在は、本社と工場にキッズルームを設けています。初めてキッズルームができたのは、15年ほど前ですね。今は製造スタッフが利用しているケースが多いですが、ゆくゆくは社外の方、地域の皆さまにも使っていただければと考えています」

多くの女性が活躍し、洋菓子やケーキを扱っていることからも、華やかなイメージを持たれることが多いというロマンライフ。でもそういった一面だけではなく、一つの力強い企業として見てもらいたいと松井さんは語ります。

「経営理念の中に、『絶対積極』という言葉があります。どんなことがあっても、それを前向きに捉えて乗り越えていく。逆境を成長するチャンスだと捉える。そんな姿勢を持つ人を求めています。自ら主体的に動いて、これからのロマンライフを一緒につくっていく、より良く作り変えていく。そういう気持ちを持った方に入社してもらえたらと思います」

お客様の喜びを自分の喜びに

最後にお話をお聞きするのは、営業部販売職の大髙葵(おおたか・あおい)さんと、製造部製造職の大福美恵(おおぶく・みえ)さんです。

二人は同期入社で、今年で3年目を迎えます。ロマンライフのどんなところに魅力を感じ、入社を決めたのでしょうか。

販売を担当する大髙さんは、「モノを売るだけでなくコトを売る。感動や喜びをお客様に届ける」という河内社長の言葉を会社説明会で聞き、共感したことがきっかけだと言います。

「その後、選考が進む中で、『ただ茶の菓を売るなら自動販売機でもできる。でも、売る人の思いをのせて販売できる人を求めている』という営業部長のお話を聞き、ここで働きたいという思いがより強くなりました」(大髙さん)

製造職の大福さんは、ロマンライフが掲げる大家族主義や、働く人たちの楽しい雰囲気にまず惹かれたと語ります。

「ハワイへの社員旅行や、チームの絆を深めるコミュニケーション会など、楽しいイベントがいっぱいあるんです。仕事の時だけじゃなくて、みんなで一緒にわいわいごはんを食べて仲良くなれるのが良いなって思いました。季節ごとに替わるケーキなど、商品の魅力にも惹かれ、入社を決めました」(大福さん)

実際に働き始めて、どんなことに喜びややりがいを感じているのでしょうか。

「一商品を一人で担当するので、生地を焼くところから仕上げまで全工程を自分で担当するんです。だから、これは自分が作ったケーキ、と言えますね。担当できるケーキが増えてきて楽しいです。できることが増えるのが1番うれしいですね」(大福さん)

ケーキの仕上げをする大福さん。

「自分が接客したお客様が覚えていてくださったり、温かいお言葉をいただけたりする時に、やりがいを感じます。以前に、『私、あなたのファンなのよ』と言ってくださったお客様がいて。会うのを楽しみにしてくださっているというのが伝わってきて、とてもうれしかったです」(大髙さん)

カウンターに立って接客する大髙さん。

共にロマンの森で仕事をする二人。ガラス張りのお菓子スタジオで働くことになった大福さんは、とにかく今は緊張していると笑います。

「すごく近い距離で全身を見られているので緊張します(笑)。でも逆に、私たちからもお客様が見えるので、実際に買ったり食べたりしてくださる姿が見られるのは楽しみです。私が作ったケーキをおいしそうに食べてくれていたらうれしいですね」(大福さん)

「来店されたお客様に、『また来たいな』、『また大高に対応してもらいたな』って思っていただける接客をしたいですね。お客様からもスタッフからも、大高に任せたら大丈夫って言ってもらえるような、信頼を得られるような人間になりたいです」(大髙さん)


今回取材をしたどの方からも伝わってきたのは、「人を喜ばせるのが好き」という共通の思い。そして「やり切る、こだわり抜く」、「絶対積極」といった言葉から、京都の洋菓子という新しいマーケットを切り開いてきた先駆者としての、揺るがない強さも感じました。

彼らの思いに共感し、これからのロマンライフを一緒に作っていきたいと思ったら、ぜひチャレンジしてみてください。

本記事はBeyond Career事業にて受注・掲載した求人記事となります。Beyond Careerについてはこちら

執筆:藤原 朋
撮影:岡安 いつ美

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